# MAMAN style

■燕市 I様 家事動線で家事ラクに!子どもたちも伸び伸び走り回れる家

中之口川にほど近い燕市八王寺は、関越自動車道の三条燕ICや上越新幹線の燕三条まで車で10分弱という便利なエリア。それでありながら、田んぼや畑も多くのどかな空気が流れている。

徒歩圏内に燕市交通公園や武道館といった公共施設も充実しているので、子育て世代には特にうれしい地域だ。

そんな八王寺の住宅街の中でひときわ目を引くのが今回訪れたI邸。

白亜の三角屋根の家は塗り壁仕上げ。上げ下げ窓が連なるファサード(正面)はヨーロッパのペンションのようでもある。

Iさん一家は、ご夫婦と今年4歳と2歳になる元気な男の子の4人家族。

どんな暮らしをしているのか訪問しお話をうかがった。

「ご主人の実家の隣に新築を決める」

「家づくりを考え始めたのは今から4年くらい前でした。弥彦で行われたスタイルハウスさんのオープンハウスを見学しに行ったんですが、無垢の床や手作り感のある雰囲気がいいなあと思いました。その後、他の住宅会社さんも見たんですが、私たちの希望を受け止めてくれそうな小林さんの人柄も安心感があり、スタイルハウスさんにお願いしたいなと思いました」と奥様。

「以前は同じ燕市内の井土巻でアパート暮らしだったんですが、上の子が生まれて手狭になって。湿気もすごかったですし、アリの行列ができていたこともありました。あと、冬になると窓際がとても寒かったですね」とご主人。

しかし、その後2人目のお子さんを妊娠し、家づくり計画は一度ストップ。出産を終えて落ち着いてから改めてスタイルハウスに依頼し、2018年の秋にマイホームが完成した。

家を建てた場所はご主人の実家のお隣の73坪の土地。元々畑だった場所を入手した。

毎朝子どもたちが保育園に行くときには、おじいちゃんおばあちゃんに見送られて出発するのが日課となっているのだとか。

何かあった時にはお子さんたちを預かってもらったりと、両親のサポートを受けながらちょうどいい距離感で暮らしている。

「シンプルな白い建物に、デザインコンクリートのアプローチ」

I邸のこだわりの一つが外観のデザインだ。

白い塗り壁の外壁に、グリーンの屋根がアクセントになっている。

「西海岸のサーファーズハウスにも憧れていました」という奥様の希望から、建物正面に下屋をつくり、カバードポーチのようなデザインにした。庇に守られた部分は、右側は玄関ポーチ、左側は自転車の駐輪スペースとして使う予定なのだそう。

アプローチの仕上げはデザインコンクリートと呼ばれるもので、特殊なスタンプを使って表情豊かな意匠をつくり出している。「この仕上げができる左官職人さんに静岡から来てもらい、つくって頂いたんです」と奥様。

伝統的な土壁や漆喰壁の需要が減る中、デザインコンクリートという新しい表現方法は、左官職人の新しい活路の一つとしても注目されている。施工を手掛けた職人は千葉県浦安市にあるテーマパークの仕上げも行っているそうだ。

「リビングとキッチン、玄関から2方向に分かれる動線」

ドアを開けると、目の前には奥へと伸びる土間が現れた。

上がり框は斜めに設計されており、土間での移動がしやすいように考えられている。

壁の奥にはシューズクロークが隠されており、家族4人分の靴やベビーカーなどがすっきりと格納されている。

左に上がるとリビングへつながるが、土間をまっすぐ進んだところにあるドアを開ければ、キッチンに直接入ることができる。

「買い物から帰った時に、荷物をここから入れてすぐ冷蔵庫に収納できるのが便利ですね」と奥様。

「周囲をぐるぐる回れる便利なアイランド風キッチン」

リビングのドアを開けて中に入ると、正面にはダイニングとキッチンが並んでいるのが見える。

ダークブラウンで塗装された無垢のパインの床に、現しになった梁が心地よいカントリースタイルの空間で、インダストリアルテイストの黒い照明がアクセント。

「アイランドキッチンにしたかったのですが、予算のバランスも考えてアイランド風にしました。それでも、キッチンの周りをぐるりと回れるのが便利ですね。子どもたちもよくぐるぐると走り回っています」(奥様)。

ウッドワン社のキッチン「スイージー」は面材に天然木を使った製品で、I邸にあるのは床と同じパイン材を使用。その質感がデザインの統一感を生み出し、いっそう心地いい空間が完成している。

IHクッキングヒーターの横の壁は、キッチンの天板と同様にステンレスの1枚板。油がはねて汚れてもサッと拭くだけで汚れが落ちるので、重宝しているという。

リビング側を見通せるようにキッチン前のカウンターは低めに造作。それにより、圧迫感も軽減している。「カウンターは奥行きもちょうどよくて、盛り付けた料理を並べるのにも便利ですよ」。

キッチンの後ろには造作のカップボードと飾り棚。観葉植物と奥様がセレクトした雑貨が並び、カフェの一角のようだ。

食器類はダイニングテーブルの後ろにある引き戸の中に格納。

食器を入れるのに丁度いい奥行きで、スペースも取らない便利な収納だ。

「リビングにはお昼寝に便利な置き畳」

一方リビング側はソファやテーブルを置かずに広く活用。

その代わり、中央には2畳分の置き畳を敷いている。

和室を設けていないが、子供たちがお昼寝をするスペースはあった方がいい。

置き畳はそんな悩みを解決できる便利な畳だ。

壁側にはシンプルな造作のTVボード。それ以上造り込まないことで、左右のスペースを活用できる。

お子さんたちのお気に入りであるIKEAのおままごとキッチン「DUKTIG」もTVボードの隣にちょうどよく納められている。

「広い洗面台はドレッサーとしても活躍」

キッチンの奥にある洗面脱衣室も奥様のこだわりポイント。

「広い洗面台にしたくて、造作していただきました」という洗面台は幅広の天板と鏡が付いたゆとりある大きさ。「ここに座って化粧をしたり、アイロンを掛けたりできるのが便利ですね」。

マリンランプの照明や、ブラウンのタイルも優しい素材感の空間になじんでいる。

左側に目を向けると、そこは階段下を利用したランドリースペース。

洗濯機の隣には、汚れ物を手洗いするのに便利なスロップシンクが設けられている。

「ご飯粒が付いた子どもたちの服を洗濯機に入れる前に洗ったり、靴を洗うのにもよく使っています。スロップシンクはかなり使っていますね」と奥様。

さらに、ゆとりある空間は物干しスペースも兼ねている。

「個室中心の2階にも、小さな造作の洗面台を設置」

次にリビング内の階段に向かってみた。階段横の窓をよく見てみると、白樺の枝にカーテンが吊るされている。

これは、奥様が持っていた白樺の枝をスタイルハウスで加工して窓に取り付けたもの。

そんな柔軟な対応ができるのもスタイルハウスの強みだ。

2階には夫婦の寝室と2つの子ども部屋、あとは収納スペースとトイレ、洗面台がある。

階段を登った先に洗面台が設けられているが、メーカーの既製品ではなく、造作によるもの。

実験用シンクやサブウェイスタイルが使われ、コンパクトな空間だが、温もりを感じさせる優しい洗面台に仕上げられている。

寝室のそばにあるので、寝る前の歯磨きをするのにも丁度いい。

廊下の窓からは西日が差し込むが、畑が入り混じる住宅街は高い建物もないため、ゆったりとした景色が眺められて気持ちいい。

住み心地について、以前のアパートとの違いを聞くと、「アパートの時は出掛けて帰ってきても嬉しい気持ちにはならなかったですが、今は『家に帰ってきたなあ』という安心感を得られるようになりましたね。自分たちが好きなようにつくった家なのですごく愛着も感じますし。あと、台所に立って料理をする時間が楽しくなりましたね」と奥様。

無垢材を使った豊かな素材感の空間に、使いやすく計画された家事動線。

安らげる空間で伸び伸び楽しそうに遊ぶお子さんたちの笑顔が印象的だった。

一覧に戻る