# MODERN style

■加茂市 友人家族を招いてワイワイ過ごせる、居酒屋のようなリビング

実家の隣の土地を購入し、家づくりをスタート

以前はご主人の実家で同居していたというSさん家族。

「実家は広いつくりの家でしたが、4人家族用の家に両親と僕たち4人家族の6人で暮らしていたので、子どもたちが成長してくると手狭に感じるようになりました。それで自分たちの家を建てることを考え始めたんです。ちょうど実家の裏の土地が空いていて、所有者の方に聞いてみると売って頂けるということで、そこを買って家を建てることにしました」とご主人。

総合住宅展示場のハウスメーカーを見に行ったりもしていたが、保険のことでお世話になっていたファイナンシャルプランナーから紹介を受けたスタイルハウスを訪ねたという。

「自分たちの要望を伝えると理想的なプランをご提案頂き、打ち合わせはとてもスムーズに進んでいきました。スタイルハウスさんに出会う前はなかなか家づくりが進んでいかなかったんですが、スタイルハウスさんと打ち合わせを始めて半年後には着工することができました」(ご主人)。

Sさん夫婦が理想としたのは、大勢で集まってワイワイ過ごせる住まい。来客をもてなす様々な工夫が散りばめられている。

玄関のそばには美しいモールテックスの造作洗面台

S邸が立っているのはご主人の実家の裏手にある旗竿地。

車が入ってこないので、家の前のアスファルトは子どもたちが安全に遊べるスペースになっている。

車2台が納まるカーポートは家と一体につくられており、車からポーチへとスムーズにアクセスできる設計だ。

建物手前部分の下屋はポーチと玄関で、奥にはリビングに面したテラスがある。

ルーバーによって目隠しされたポーチの足元は上質感あるタイルで仕上げられており、そのタイルと呼応するように壁にはコンクリート調の無機質な外壁が貼られている。

玄関に入ると、そこは暖色のダウンライトの光で満たされた温かみあふれる空間。

すぐ左手にトイレ、その隣に洗面台、そのまま奥へ進むとランドリールームがあり、さらに進むと水回りやキッチンへと回り込める回遊動線がつくられている。

正面には蹴込み板がない軽やかなスチール階段があり、リビングを経由することなく2階の子ども部屋に向かうことができる。

「スチール階段を希望したところ、コーディネーターの渡辺さんから『手すりに笠木を付けるとさらに良くなりますよ』とご提案を頂きました。触った時にヒンヤリせず温かみがあっていいですね」(ご主人)。

階段の右手は階段下の空間を生かした床の間。階段下は収納スペースとして使われることが多いものだが、あえてゲストを迎えるしつらいのためのスペースに使っているところに余裕が感じられる。

床の間の袖壁のそばににちょこんと飾られた、娘さん手作りの小さな龍の置物がかわいい。

ホールの隣のトイレは天井付近に間接照明が仕込まれており、やわらかい光が落ち着いた雰囲気を演出。リラックスしたひと時を過ごすことができそうだ。

トイレの隣につくられた造作の洗面台は、モールテックスという左官材料で仕上げられている。

「モールテックスの洗面台は渡辺さんからご提案を頂いたものです。実は、自分でもいいなと思う洗面台の画像を検索して集めていたら、その中の一つが偶然にも渡辺さんの家のモールテックスの洗面台の写真だったんですよ。渡辺さんの家と同じような洗面台ができて大満足です」と奥様は話す。

ゆったりとしたワークトップに1枚物の大きな鏡。左手の壁には使い勝手のいい埋め込み収納が設けられている。美しさと機能性が考えられた、こだわりの一角だ。

たくさんの居場所がある居酒屋のようなリビング

玄関ホールの右手のドアを開いたところが、家族が集まる21畳のLDK。

手前の12畳分が円卓が置かれたリビングで、天井に現わされた梁が心地いいアクセントになっている。

奥のコーナー部分は3畳の小上がりで、その隣は6畳のキッチン。キッチンに面したカウンター席もある。

たくさんの人が集まって、食事をしながらワイワイ過ごせる場所が欲しい。そんなSさん夫婦の理想が具現化された楽しい空間だ。

「子どもがサッカーをやっていて、そのつながりでできたパパ友やママ友が家族で遊びに来てくれるんです。3~4家族が集まって、ここで15人くらいで過ごすこともあります。訪れる友人たちからは『まるで居酒屋みたいだね』って言われますね(笑)。いろんな居場所があるのも気に入っています」とご主人。

普段朝ごはんを食べる時はご主人と子どもたちが小上がりに並び、奥様はキッチンにスツールを置いて食事をとるという。

時間にゆとりがある夕食時は、リビングの円卓を囲んでゆっくりと過ごす。直径120cmの大きな円卓は、隣に住むご両親を招いて6人で食事をするのにも都合がいいのだそう。

「このテーブルは冬はこたつになりますが、こたつに入りながらテレビを見て過ごす時間は家族みんなのお気に入りです」(ご主人)。

時間帯やシーンごとに場所を使い分けられるのも、この居酒屋リビングの魅力だ。

小上がりとカウンターによってL字に囲まれたキッチンは、ちょっとした個室感があり落ち着ける。

キッチンの背面には無印良品のユニットシェルフがちょうど納まる高さのカウンターが造作されており、その上には黒で統一された電子レンジや炊飯器、オーブントースターなどの調理家電が整然と並んでいる。

目立たないところにはパントリーが備えられており、収納スペースも申し分ない。

すべてがオープンなのではなく、油跳ねしやすいコンロ周りは壁で囲むなど、実用性もしっかり考えられているのもポイントだ。その壁のリビング側は飾り棚として活用するなど、ちょっとしたスペースも生かしながらきめ細かい設計がなされている。

家族の個室がまとめられた2階

家の中央に設けられた階段を上がると、2階には書斎と主寝室、2つの子ども部屋が配されている。

階段を上がってすぐ右手は3畳の書斎。

上の写真は竣工時のものだが、横に長いデスクが造作されているので書類や道具を広げて作業をするのに都合がいい。

階段の左手には洗面スペースとトイレがあるため、トイレや水を飲みに行くのに毎回階段を上り下りする必要がないし、朝の忙しい時間帯にトイレや洗面スペースが空くのを待つ時間も解消できる。

主寝室は7畳で、ベッドの枕元はスマホやメガネなどの小物を置いておける便利なライニング付き。ドレッサーを置くスペースがあらかじめ確保されているため、家具の納まりもいい。

奥に配された2つの子ども部屋は各6畳で、建具がないオープンなクローゼット付き。それぞれ2面採光で日中は心地いい光で満たされる。

丁寧な仕様決めを経て完成した大満足の家

2022年の年末に完成した住まいに住み始め、2回目の秋を迎えたSさん家族。

「改めて、いい家だな…と感じています。小林社長から提案を頂いたフローリングも気に入っていますし、コーディネーターの渡辺さんから色のアドバイスを頂きながら壁紙などを決めていき、いい空間ができ上がりました。渡辺さんのご自宅の内装がベージュ色の塗装で仕上げられていて、その感じがいいなと思い、壁紙は少しベージュ色が入ったものを選びました。インテリアや外壁の打ち合わせでは、CGを見ながらシミュレーションできたのでイメージがしやすかったですね。スタイルハウスさんのオフィスには子どもたちが遊べるスペースもあり、子どもたちが退屈せずに過ごせたのも良かったです。

それから、自分たちの家ができたことで、釣りやバーベキューなどの道具を置く場所が確保しやすくなったことも満足していることです」(ご主人)。

S邸
加茂市
延床面積 117.55㎡(35.56坪)
構造 木造軸組工法
竣工年月 2022年12月

写真・文/Daily Lives Niigata 鈴木亮平

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