# MODERN style
■燕市 E様邸 カフェライクな空間が心地いい、光あふれるリビングで憩う

すっきりとしたフォルムと塗り壁が調和する外観
元々燕市内のアパートで暮らしていたEさん夫婦は、入籍を機に家づくりを考え始めたという。
「いくつかの住宅会社さんの見学会を訪れて話を聞いていたのですが、自社の性能について話をする方が多いのが印象的でした。その中でスタイルハウスさんだけは、家づくりを進める上で必要な資金計画の考え方などを教えてくださって、第一印象が良かったですね。それで後日改めてお話を聞きに伺いました」と奥様。

「ライフプランから家にどれくらいの予算が掛けられて、どれくらいの規模の家が建つかなど、目安を教えて頂けたのもありがたかったです」(ご主人)。
希望のエリアで見つかった60坪の土地を購入し、スタイルハウスと共に家づくりをスタートしたEさん夫婦。2021年の12月に完成したのは、茶色の塗り壁に包まれた優しい表情の住まいだった。

家は東側道路に面しており、建物の手前には3台分の駐車スペースが確保されている。
左手には家庭菜園があり、その奥にはデッキと人工芝の庭が広がる。

「家庭菜園では、これまでにナスやピーマン、枝豆などを栽培してきました。今はゴーヤやミニトマト、大葉などを育てています。夏野菜が終わったら、ニンジンやダイコンを栽培する予定です。野菜は自分たちだけでは食べきれないので、会社や友達、実家に配っていますね」(ご主人)。

ポーチはカーポートの後ろからスムーズに入れる設計で、1畳分の外部収納が通りからの視線を遮る壁の役割も果たしている。

ゆったりとしたポーチは自転車を置けるほどのゆとりがあり、外部収納には、車のタイヤやバーベキューの道具、椅子やテントなどが納められているという。
「ポーチの奥に自転車用のスロープをつくって頂いたんですが、ベビーカーで出入りをするのにもとても重宝しています」(奥様)。
帰宅時にも使いやすい、通路上の独立洗面台
3畳の玄関はオープンなシューズクローク付き。

ゆとりある棚は靴だけでなく、家庭菜園で使うさまざまな道具を保管するのにも重宝しているという。
一角には上着やバッグ、帽子などを掛けておくのに便利なハンガーバーも備えられており、特に冬場はかさ張るアウターをリビングに持ち込まずにここに掛けておくことができる。
玄関から正面に廊下が伸びており、そのすぐ右手がトイレ。照明は天井や壁ではなく、造作棚の下に床を照らす間接照明だけが取り付けられている。

「この棚と間接照明はスタイルハウスさんの見学会で見たものを参考にして同じように造って頂きました」(ご主人)。「遊びに来る友人たちからも好評で、みんな『落ち着くね』と言っています」(奥様)。
トイレを通り過ぎてすぐの場所は、通路を兼ねた洗面スペース。

「ちょうどコロナ禍での家づくりで、『ただいま手洗い』が話題になっていた時期でした。ただ、玄関のそばに小さい『ただいま手洗い』を付けるのではなく、メインの洗面台を廊下に配置した方がいいなと思いこのような形にして頂いたんです」(奥様)。

帰宅時にスムーズに使える動線上でトイレにも近い洗面台は、生活をする上で無駄がない絶妙なレイアウト。
オープンな棚にはカゴや箱が並んでおり、ストック品がすっきりと収納されている。3面鏡の内部に歯ブラシなどを隠すことで、生活感を簡単に排除できるのもポイントだ。
白を基調とした爽やかなランドリールーム
そして、廊下の突き当たりを右手に曲がったところが、脱衣室兼ランドリールーム。

白いサブウェイタイル調のクロスが明るく爽やかな雰囲気をつくり出している。天井に吊り下げられているのは「kacu」という名前の珍しい角ばったデザインの物干しバーで、タイル調の壁紙と呼応している。

造作のカウンターには収納ケースが整然と並んでおり、乾いた洗濯物の一部はこのカウンターの上でたたんで収納するところまでワンストップで完結。洗面台を室外に出したことで、ゆとりも生まれている。
カフェのようなカップボードがかわいいキッチン
E邸の間取りは家事動線もよく考えられており、脱衣室兼ランドリールームとキッチンの間をスムーズに行き来できるのも特徴。

キッチンの後ろにはカップボードと棚が造作されており、サブウェイタイルの壁と相まってカフェのような雰囲気がつくられている。

「建築中にもう少し食器を入れる場所が欲しいと思い、途中で吊り戸棚を造って頂きました」(ご主人)。
「電子レンジなどを置いているカウンターの下の半分はゴミ箱を置くスペースになっています。新居に置きたいゴミ箱を選んだ上で、その寸法に合わせて空間を造って頂きました」(奥様)。

キッチンにはBOSCHの食洗機がビルトインされており、普段の生活で大活躍しているという。「正面が大きく開くのもいいですし、デザインもかっこ良くて気に入っています」(奥様)。

「アパートのキッチンは狭く、ごちゃごちゃしがちでしたが、広さもあり料理がしやすくなりました。遊びに来る友達も『おしゃれだね!』とほめてくれます」(ご主人)。
キッチンの壁側の目立たない位置に1畳分のパントリーがあり、こちらには食品ストックがたっぷりと格納されている。壁にはマグネットが貼れる下地が入っているため、ごみ収集カレンダーなどの書類は壁を傷つけることなく貼り付けることができている。

吹き抜けからたっぷり光が注ぐリビング
対面キッチンの正面はダイニングテーブルで、さらにその奥には吹き抜けからたっぷりと光が注ぐリビングが見える。

「壁紙の白、床の茶色、あとは階段や照明などには黒を使っています。建具はネイビーですが、それが抜けになっていていいなと思っています」と奥様。

キッチンは程よく壁に囲われているので、ワークトップの上を散らかしていてもリビングからは見えにくく、存在感のある冷蔵庫も目立たない場所に配されている。

「吹き抜けは最初は考えてなかったんですけど、見学会で吹き抜けがある家を見てから、その開放感がいいなと思い希望しました。リビング学習ができるように、窓辺は子どもの勉強用のデスクにしています」(奥様)。

吹き抜けによって垂直方向に空間が広がっていくため、床面積からは想像できない程の開放感が得られるのがE邸のリビングの特長だ。スチール製のスケルトン階段は軽やかで、踏板と踏板の間からこぼれ落ちる光も美しい。

高窓から豊かな緑を望む
2階に上がると、南側の高窓からは隣家の豊かな屋敷林を望める。

その景色は、住宅街の中でありながら、高原の別荘地のようなリラックスムードを感じさせる。
2階に配されているのは、8畳の主寝室に、4.5畳の子ども部屋が2室、書斎といったプライベートな空間だ。トイレや手洗いもある。

「僕の実家も2階にトイレがありましたが、家族がノロウイルスやコロナに感染した時に使い分けられるのがいいなと思い希望しました」(ご主人)。
廊下の途中にある手洗いはコンパクトだが、1階と同様に造作をすることで空間になじませている。

木製の天板にシンプルな白い洗面ボウル。黒い水栓やネイビーのタイル、円形のミラーでコーディネートされた洗面台は、既製品にはないオリジナリティがあふれている。
リモートワークや試験勉強に集中できる書斎も
2つの子ども部屋に挟まれた、少し奥まった場所にある書斎は2畳。吹き抜けがある家は上下階の音が伝わりやすいものだが、主寝室や書斎は吹き抜けからの距離を取ることで独立性を高めている。

「私が試験勉強をするのに集中できる部屋が欲しくて書斎を希望しました。リモートで行われる講習会に参加するのにも便利ですね。夫のパソコンを置くスペースにもなっています」と奥様。
4.5畳の子ども部屋は、まだお子様が小さいため使用していないが、奥にある子ども部屋は2面採光でとても明るい。壁1面だけはブルーのアクセントクロスを張り、単調になり過ぎないようにコーディネートしている。

掃除をする時間も楽しくなる、お気に入りの住まい
最後にこの家に住んでみての感想を伺った。
「濃い茶色の床材をベースに、白と黒を組み合わせるというコンセプトを決めたことでインテリアに統一感が出せたように思います。自分たちが好きな空間を実現でき、アパートで暮らしていた時よりも家で過ごす時間が長くなりました。休日は掃除をして過ごすことが多いですが、好きな空間がきれいになっていくのがうれしいですね。

家づくりの最中はでき上がるのがとても楽しみでしたが、床材や壁紙、タイルなどを選ぶ時間も楽しくて、完成すると少し寂しい気持ちにもなりました。
あと、子どもが生まれてからは、子どもが大きな声で泣いている時に、周囲に気を遣わずに生活できる点でも家を建てて良かったなと感じています。
それから、この家に住んでから風通しのいいカーポートの下で友達を呼んでバーベキューができるようになったのも満足してることです」と奥様。

「アパートでは収納が少なくて趣味を増やせなかったんですが、実家に置いていたロードバイクなどを家に置けるようになりました。家づくりの過程では、まずは希望することをすべて伝え、そこから相談しながら本当にやりたいことを詰めていけたのがよかったです。これまでデッキをあまり活用できていなかったですが、子どもが生まれたので今後はプール遊びをしてみたいですね」(ご主人)。

木とスチールが融合したリビングは、スタイリッシュでありながら温かみがあふれる心地いい空間。隅々にまでEさん夫婦のこだわりと愛着が詰め込まれた住まいは、3年目の今も新築時と変わらない美しさが保たれている。

E邸
燕市
延床面積 113.03㎡(34.17坪)
構造 木造軸組工法
竣工年月 2021年12月
写真・文/Daily Lives Niigata 鈴木亮平